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Rotterdam School of Management留学

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AmazonのMBA採用の話

簡単にロンドンの現状から。

11月からロンドンは2回目のロックダウンに入りました。今回の期間は約1か月とのことです。

春のロックダウン時とは異なり、学校や幼稚園/保育園等は開いているし、スーパーもほぼ普通に開いています。マスク着用が義務となっているくらいで、前回のような入場者数制限はなさそうです(厳密にはあるのかもしれないですが、少なくとも入り口に担当者が待機して常に入場者数を数えて区切る、ようなことはない)。

そんな感じでほぼ100%WFH (Work From Home: テレワーク)しています。

 

 

今回は備忘も兼ねて、2019年に受けたAmazonMBA採用プログラムについて。結果は最終面接で落ちました。

受けたのはEU域内のAmazon Pathway Programで、RSM (Rotterdam School of Management)にAmazonから採用しに来ていました。RSMの卒業生で現在もこのプログラムで働いている何名かが説明会を開催し、希望者だけ応募、という形。RSMの枠があるというわけではなく、良い人がいれば何人も採用するし、そうでなければ誰も取らない、というスタンスだったようです。

 

概要

Amazon Pathway Managerの概要は以下の通り(現在も同じかは不明)。

対象:MBAまたはPhD

キャリア:5年間でAmazonのFulfillment centre (=Amazonの物流拠点、倉庫)のArea Manager → Operation manager → Senior manager → General managerを目指すFast trackプログラム。

ロケーション:使用言語により、ドイツ、チェコポーランド、イギリス、スペインなど。英語しか話せない人はイギリスのみ。

 

採用プロセス

①書類選考:

CV + Motivation letterの頻出リクルーティング書類セットを提出。ここで20人くらいに絞り込み。何人応募したかは不明。その後、書類通過者のみを集め、RSMのキャリアセンター主催のAmazon採用面接対策が数回開催。

 

②一次面接:

書類通過者が実際に各国でAmazon Pathway Managerとして働いている人とインタビュー。面接担当者は4名いるが、そのうち半分の2名と面接あり。1 on 1の面接が2回。これを通過したのが大体半分の10人くらい。1回30分程度。

 

③最終面接:

面接担当者は一次面接でインタビューしていない二人。この日も1 on 1が2回。1回45分程度の面接。最終的に僕の代からはたぶん4名採用。僕はここで落ちました。

 

 

対策

結局採用されなかった僕の対策なので、不十分だったとは思います。参考まで。

①書類選考:

Amazon向けに特別な対策はしてないのでわかりません。JD (Job Description)を読み込み、求める人物やスキルに合わせてCVの内容を微調整。Motivation letterも同様です。過去の経験を広く深く掘り下げるような作業は年間通じてキャリア関連の講座でしなくてはいけないので、色々調整できるようになるものだと思います。

意外と僕の書類は競争力があるようで、書類段階で落ちることは他の会社含めて余りありませんでした。書類で落ちなさそうな会社にしか応募しなかっただけかもしれませんが。

 

②面接対策

内容は一次面接も二次面接も同じです。僕の対策は (Amazonの採用プロセスにガチで乗ろうと思ったら多くの人がすることだと思いますが)

  • Bezosの1997 Letter to Shareholderを読む。何度も読む必要ないと思いますが、Amazonの考え方の基礎を理解しろよと言われていると僕は思いました。
  • Amazon leadership principleを読み理解する。14のPrincipleがあるので、それらをすべて読み込み内容を理解。
  • 14のPrincipleに合わせたストーリーを準備。ここが一番時間もかかるし重要だと思います。面接の質問は基本的にすべてAmazonのPrincipleに沿った内容が聞かれます。14種類のストーリーを用意するのではなく、1つのストーリーで複数のPrincipleをカバーして問題ないですが、すべてカバーする必要があります。面接官はさらにそのストーリーについて深堀してくるので、45分もあっという間に過ぎますが、どのストーリー話そうかなーと考える暇はないです。

Amazon採用対策はマニュアルのようなもの作られており、MBAのAlumniやキャリアセンターに聞けばシェアしてもらえると思います。量はかなり多いので、全部細かく読んで対策するのは無理だと思いましたが…(それくらいこなせる人がAmazonに行くのかもしれない)。

また参考になるかはわかりませんが、YouTubeにもHow to pass Amazon interviewみたいな動画がたくさんあります。同じようなこと言っている動画が多いので、間違ってはいないんじゃないかなと思います。

 

 

総括

ざっくりこんな感じ。Amazonの採用プロセスで面接通過できると思っていなかったので、応募してみて良かったかなと思ってます。何が良かったのかわかりませんが、僕のFluencyゼロのSamurai EnglishでもAmazonの選考を進められるんだ、と確認できたことは良かったです。

Amazonの採用担当者は、採用のためにある程度の時間を割いてトレーニングを積んでいるとのことでした。Amazon Principleを理解し、それに準拠して質問、深堀、そして評価するプロセスがちゃんとしている感じは面接を受けていても、結果通知の速さからもなんとなく感じました。

今回用意したようなストーリーは、結果的に他社の選考での想定質問も余裕でカバーしている点も良かったです。準備は大変ですが。

給与は初年度EUR 100k (+賞与?) + Relocationコストと聞いた気がしますが、全く確実ではないです。

RSMの卒業生でAmazon勤務者に聞いた話では、1年以内に半分、2年以内に7割超が退職していくとのこと。倉庫勤務なので夜勤もあり、倉庫のスタッフはローカルの人間でMBAとウマが合わないケースがあったり、先輩Pathway manager (結局上位MBA卒が多い)によってはプレッシャーも強く、倉庫のプロセス改善等で結果を出せなければ評価もシビアにされるためとのことでした。周りの学生からは、MBA卒業して倉庫のマネージャーか…と言って応募しない人も多かったですが、そこは個人の好みかなと。個人的にはAmazonの倉庫なら面白そう、と思いました。

よくあるMBA採用と同じですが、異なるロケーションを数カ月~1年程度で転々とするプログラムなので、正直家族持ちにはきついし、今回通らなくて良かったかもとも思いました。そしてAmazon採用担当者がそういうメンタルの僕を弾いたのはさすがだなと思います。

今年は日本でもPathway Managerの採用があるようです(去年もあった?)。