ミドルキャリアをゆるやかに歩く

Rotterdam School of Management留学

オランダMBA留学、欧州生活、その他

留学記 2019年4月前半

Personal Leadership Managementの課題の一つとして、メンターを見つけてキャリアに関する相談をして来い、というものがありました。RSMはAlumniのネットワークを活用してMentor.meというサイトを運営しています。MBAの卒業生だけでなく、MScの卒業生も登録されており、様々な業界で経験を積んだAlumniのデータベースとなっています。そのデータベースで興味がある卒業生にコンタクトして面談を設定する、という流れになっています。

僕は主に投資業務に財務アドバイザーとして関与していたため、Renewable Energy Fundでディレクターをしているオランダ人に連絡してみました。スケジュールを確認して予約、電話で面談、という流れですが、予定の時間になってもメンターは現れず…。後日連絡が来たのですが、スキーに行って怪我をして病院にいた、とのことでした。

アポイントメントを取り直して再度面談。経歴を聞くとおそらく50歳前後ですが、エンジニアから始まってコンサルをしたり資源系の会社で働いたり、転職を繰り返しながらも役職は上がっていっている、というようなキャリアを重ねていました。本人は、興味をもった分野にキャリアチェンジしているだけだ、と言っていました。オランダではある程度一般的なキャリアの進め方ですが、少なくとも日本ではあまり見られないキャリアだと感じました。

Geneva institutionが主催して毎年開かれているコンペに参加することになりました。テーマは毎年変わっていますが、2019年のテーマはGlobal Healthとなっており、ヘルスケアに関する課題を見つけて問題を定義し、それを解決する提案をしてください、というものです。

チームは台湾人、アルゼンチン人、インド人、僕の4人で構成されています。台湾人はヘルスケアデバイスのセールスマネジメント経験があり、アルゼンチン人はアルゼンチンでは医者をしていたようです。インド人はエンジニアでオペレーションマネジメントの経験を持っています。僕はヘルスケア業界の経験はほとんどないのですが、エクセルウィザードなファイナンスガイとして召集してくれたようです。

これまで何度かミーティングを重ねていますが、まずは問題として何を取り上げるか、という話し合いが続いています。僕にとっては少子高齢化に対応するヘルスケアに関する何か、というのが比較的ピンとくるのですが、ほかの人はそうでもないようです。

このコンペで何らかのファイナンスに関する経験が役に立つのかという疑問を感じつつ、面白いテーマを見つけられるといいなとリサーチしながら参加しています。

オペレーションマネジメントでは、ボトルネックを解消するために想定される複数のアプローチのうち、生産面を改善しつつ全社として利益を上げることができるものを選択、現場に落とし込んで実行、と一連のオペレーション改善について学んでいきます。東京大学への留学経験もある教授で、トヨタの現場改善もクラスで登場することが多いです。留学時代、今話題のカルロスゴーンにインタビューした経験もあるようです。

その授業の一環として、Teslaの生産管理を行っているフランス人がゲスト講師としてRSMでレクチャーをしてくれました。Teslaの戦略における生産プロセスの課題にどのように対処して来たかについて学ぶことができました。現場で起きていることを測定、数値化してファクトを把握し、どのようにボトルネックを特定していくか、また特定したボトルネックを解消するアプローチをどのように選んできたかという生産管理の分析プロセスをTeslaの実例をもって学ぶことができました。

これまでの仕事は数字をメインに扱ってきており、RSMのMBAのクラスでも理論的な話が多い中、オペレーションマネジメントは「現場」に関する話が多いので、理論的ではありながらも実感を持ちながら理解できる講義になっています。トヨタカイゼンの話などは、日本人であればいつかどこかでかじったことがある人も多いと思うので、しっくりきやすいクラスなのかなと思いました。